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歴史が大きく変わり始めた。
幾多もの争いが生まれ、町は食いつぶされ略奪された。
ここはアルヴェン東部の小さな町だった。
一人の煤に汚れた少女。
後にラーズクリーズの悪魔と呼ばれる彼女であった。
「なんで、なんでなのよ………」
彼女の腕には冷たくなった小さな子供。
逃げ遅れ戦禍に巻き込まれた。彼女の弟であった。
理不尽な争い略奪。強き者は弱き者を喰らう。
彼女は弟を抱きしめた。
涙が枯れ果てるまで…
「………アッアッ…ッ」
泣き止んだ彼女の耳に微かな音が聞こえた。
彼女は落ちている薪割り用の斧を拾い。
焼け落ち炭となった柱を踏み越え声がする方に向かった。
炭の柱が壊れ転ぶ、しかし彼女は先に向かった。
沈みかけの夕日を鈍く反射させるそれ。
自分達を襲ったもの達の一人だろう。右腹からの大量の出血。
「………アッ」
兵士もこちらに気づいたのだろう助けを求めるような目を向け手を差し出した。
しかし、彼女は
持っていた手斧を彼の首にたたきつける。
だが所詮は疲れきった女の力。骨に辺り止まってしまった。だがそれでも致命傷。
ヒューヒューと呼吸をしようとして空気が洩れる音。
しかし彼女は許さなかった。近くに落ちていた兵士の物であろうハルバード。ふらつきながらもハルバードをひきづり、持ち上げた。
そして兵士の首にたたき付る。
最初に首を切ったときより血が飛び散り彼女の服と頬を濡らした。
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