俺と彼女とモノクロ

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「お~いモノ~ たくっ……どこ行ったんだよ」 いきなり走り出した愛犬を見失ってもう30分 俺はいつもの散歩コースを一周しかけていた。 別に散歩は嫌いじゃないが捜し物をしながらの散歩なんてした事がない 正直、段々と自分の頭の中にイライラが増して来るのが分かった。 「あの馬鹿犬、今日のメシは抜いて……あっ」 散歩コースから一本外れた路地の生け垣 そこから見覚えのある赤いリードが飛び出て…… いや、生えていると言えるのが見えた。 「ったく……おいっ、モノっ!!」 俺が名前を呼ぶと生け垣の向こうから一つ鳴く声がする。 俺はリードを掴むより生け垣から中を覗きこんだ 端から見れば不審者だと見えるが何故かその時はリードを引っ張るよりも様子を見ようとした。 そこではリードが動く範囲で嬉しそうに走り回る愛犬・モノクロがいた。 「ほら、ここは人んちだからダメだって」 「アンッ」 「アンッ、じゃなくて帰るんだよ」
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