5人が本棚に入れています
本棚に追加
やがて、女の歌と舞いは終演を迎えた。
そこでやっと、青い髪の女は俺に気が付いた。
「まあ!」
俺は慌てた。今まで女とまともに話したことがなかった。
「誰か見ていたなんて、恥ずかしいわ。まだ人前で踊れるようなものじゃなかったのに。」
女は右手で頬を包み、顔を赤らめながら笑った。
俺は目を見開き、ただ口を開けていた。
「そんなに酷かった?私の歌と踊り・・・・」
女は俺を不安げに見た。
何かを言わなくてはならないと感じた。
「・・・・いや別に」
やっとのことで、これだけを言った。
最初のコメントを投稿しよう!