選択スイッチ

オレはまたスイッチを押す。

プ、プラス『膝蹴りで追撃』……を、選択……

おぼつかない足取りでパンチをかわし、アッパーを打ち込み、膝蹴りを腹にぶち込む。

男｢うっ……ぐおっ!!

チクショー……｣

男はうずくまりながら逃げて行った。

や、やった……!!

顔も腰も痛いが、不自然でないように女の子に話しかける。

粋｢だ、大丈夫ッスか？｣

見た目では先輩か後輩か分からないので、一応敬語で話しかけてみた。

女｢だ、大丈夫です。
ありがとう、佐藤クン｣

粋｢え、名前……｣

女｢あ、一応同学年。

隣のクラスの鈴木沙希(すずきさき)。

本当にありがと｣

粋｢あ、いやいや、こちらこそ分からなくてゴメン……｣

沙｢あ、いいのいいの、それで……｣