選択スイッチ

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男「この前は運が良かったかもしれねぇが、今回はそうウマくいかねぇぞ? ちゃーんとボコボコにしてやんよ!!」 粋「何だ逆恨みかよ!? あいにく待ち合わせまで時間が無いからな、『コイツらに捕まらなかった』ことにしてやるよ!!」 オレはパーカーのポケットに縫い付けたスイッチに手をかける。 部下「オイ!! 何しようってんだ!!」 粋「あっ……!!」 武器か携帯だと思ったらしい部下がオレの腕を引っ張る。 ブツリと縫い合わせていた糸が切れた。 その拍子に掴んでいたスイッチがポケットから出て転がっていく。 バキッ!!! 部下「あ?何だこりゃ?」 もう一人の部下の足下に転がったスイッチは、いとも簡単に踏み潰された。 粋「そ、そんな……ウソだろ……!?」 目の前が真っ暗になった。 スイッチが、壊れた。 そのショックで、目の前が暗くなったのが自分の失望感のせいではなく実際に暗くなったのだと認識するのに時間がかかった。
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