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オレは言葉を発せなかった。
思い当たる節は嫌というほどあるが、オレの数え切れない選択がコイツの手の上だったなんて認められなかった。
粋「そ、そうだ、夢か何かだろ? 思った通りの夢を見させるとかそういう実験なんだろ!
そもそもあんなスイッチなんて作る技術が現代に有るわけが……」
何とかこじつけ、この状況を論理化しようとする。
だが、見えない子供はそれすら許してはくれなかった。
?「時間を超えられるボクに、『現代』の技術なんて概念は無いんだよ。 キミだって時間を遡ったよね?
ボクが『キミのいる時代に来てこの技術を発表する』と選択すれば、コレは『現代の技術』になるんだよ? 意味分かる?」
子供に小馬鹿にされてるのに、怒る気力すら無い……
?「ただ、ボクが発表した技術を使って発表の前に戻って、我が物顔で発表する輩がいるかも知れないんだよねー。 そうなるといたちごっこになっちゃう。
だから、ボク以外の人に使わせるには制限を付けることにしたんだ。
その試作品が『選択スイッチ』なのさ」
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