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粋「そんな……」
?「まあ、ボクとしてはもうデータは採れたからどうでもいいんだけどね~」
粋「……どうでもいい?」
オレの中で、何かがキレた。
オレはどうでもいい存在じゃない。
こんな所で諦められない。
スイッチさえあれば、何だって出来るんだ。
オレは駅に向かう人波に突っ込み、手当たり次第にカバンを奪った。
中にスイッチが無いと分かると投げ捨て、他のカバンを引ったくる。
粋「どいつだ!! オレのスイッチを返せ!!」
当然、辺りは騒然としている。
沙「何アレ……ウチの生徒? アタマおかしいのかな……」
鈴木さんとその友達が、オレを汚らしい物を見るような目で見ながら走っていく。
誰かが呼んだパトロール中のパトカーが駆けつけ、警官がオレを取り押さえる。
粋「オレの……オレの人生を返せ!!」
オレは叫んだ。
誰に言うともなく。
?「ハイハイ、分かったよ。
人生を返してあげよう。
この試作品二号機、『選択ボタン』でキミの最初にして最大の選択を変えてあげるよ♪」
ポチッ
頭の中に、ボタンを押す音が響いた……
?「バイバイ、佐藤粋壱クン……」
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