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オレは買おうとしていた物を投げ出して走り出す。
男はこちらに気付き、路地裏に向かって走り出した。
粋「待ちやがれ!!」
スリ野郎はなかなか速かったが、高校生の体力には及ばない。
百メートル程走った所で追いついた。
粋「コノヤロッ……!!」
走りながら手を伸ばして捕まえようとする。
ズルッ!!
粋「ぬわっ!!?」
路地の水溜まりに足をとられ、滑ってしまった。
ガンッ!!
そのまま壁に頭を打ちつける。
粋「っ痛ぇえェェ!!」
頭を押さえてのた打ちまわるオレ。
痛みがひいてきた頃には、男の姿はどこにも無かった。
チキショー、あんだけの金で警察行くのも面倒だしな……
時計を見ると電車は既に出ていた。
おまけに制服は泥水でグチャグチャ。
粋「だああっ!!クソッ!!」
空き缶を蹴ってみたが、それでどうにかなるワケでも無い。
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