選択スイッチ

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イタズラにしては凝り過ぎている。 オカルトにしては妙にリアルだ。 コレは、本物……? またもや理由は解らないが、何故かコレが本物だという気がした。 よし……10分前、コンビニに入る前に。 寄り道せずに駅まで向かってれば…… 寿命が10分減ったところで変わりゃしないし、って何マジメに考えてんだろ。 オレはカバーの下に指を入れ、スイッチを押した。 カチッ オレは一瞬暗い穴に放り込まれたような感覚に襲われ、気付いた時には10分前に歩いていた帰宅路に立っていた。 時計を見ると確かに10分前。 財布を見ると金は減っていない。 そして選択スイッチは手の中にある。 やった……!! オレは言い知れぬ興奮を抑えながら帰宅した。 その夜はどうやって夕食を食べてどうやって眠りについたか覚えていない。 選択スイッチはとりあえず鍵付きの引き出しに入れておいた。 コレさえあれば、どんな選択もやり直すことができる……!!
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