黒色の天使

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「セラフィ、心配しなくていいぞ。俺は未琴をヤワに育てた覚えはないからな。」 「はぁ・・・。」 受付の男性はそう得意そうに言うが、セラフィはどう返せばいいのか分からなかったのでとりあえず生返事をする。 「ほら未琴、いつまでも痛がってないでさっさと行ってこい。」 言いながらさっき空いたばかりの台を指差す。そこにはすでに、対戦相手の少女が座っていた。 ・・・誰のせいでこうなったんだ、と言いたいところだが、まだ痛みが引かなかったのでやめた。 「ふぅ・・・じゃあ行ってくるよ、兄貴―」 言った途端、また頭を小突かれた。のけぞるとセラフィは再びしがみつく。 「“兄貴"ではなく“お兄様"と呼べと言っているだろう。」 「はいはい分かったよ。“兄貴"。」 今度は小突かれる前に範囲内から避けたが、代わりに紙コップが飛んできた。 ・・・これでよく受付になれたなぁ、とつくづく思う。
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