:ever sense:

序章

『第三次世界大戦はどう戦われるか、わたしにはわかりません。しかし、第四次大戦ならわかります。石と棒を使って戦われることでしょう』

　アルベルト・アインシュタインがその生涯において残した名言の一つである。しかし、その発言が正しいという歴史に進むことはなかった。

　何故ならば第三次世界大戦を経て、その存在を著しく損失した人類は新たなる力を世界に露呈するに至ったからである。今までも秘密裏に進められていた科学技術。簡単な技術革新としてしか世界に発信されなかったそれは、皮肉にも第三次世界大戦を引き金に打ち出されることになった。

　人類の代わりの労働力となり、あらゆる事象において与えられた仕事をこなすプロフェッショナル。それにより人類が種としての尊厳と今までに培ってきた科学技術を死守し、闘いという本能から逃れることがなかったからである。

　人類の見果てぬ夢であり、その存在意義をいつまでも見出されなかった時代の申し子たち。

　人はそれを――〝ヒューマノイド〟と呼んだ。