5人が本棚に入れています
本棚に追加
さて、桜羽町が退屈な所だということは理解していただけたでしょうか。
余所からこの町を訪れた方々は皆口を揃えて町並みが綺麗だと言うのですが、もう、とうの昔に見飽きてしまった私からしてみれば、何とも思いません。
無駄なものが無く、町全体を一望出来て、それが素敵だということなのですが、地元民の私からしてみれば、何も無いだけです。
もっとお洒落でファンキーな、都会に憧れる私は、さながら辺境の惑星タトゥイーンにて宇宙への憧れを抱いてやまないルーク・スカイウォーカーのよう。
失礼、ビールが好きな人がイカの塩辛を好きなように、私もSF好きとして、当然のようにスターウォーズが好きなものですから。
さて、話を戻しましょう。桜羽町は非常にシンプルな作りで、簡単に言うならば、そうですね、正方形を想像してみてくださいな。
その正方形の真ん中に、縦に伸びる一本のラインを足してみてください。
本当に簡単に言ってしまっていますが、それが桜羽町の形です。
真ん中の線が、百希通りといって、まあ、つまりは大通りです。その百希通りを真ん中に据えて、様々なお店――といってもハイカラなものは決してございません――や民家、その他色々な施設が建ち並んでいるというわけです。
最初のコメントを投稿しよう!