君の背中はいつも…

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Kside… 少し落ち着いた気持ち悪さに胸を撫で降ろす。 後…、3分くらいはまだいれるかな……… そう思い、少し壁にもたれようとした瞬間に勢いよくトイレのドアが開いた。 その勢いに身体が強張る。 しかし、入ってきた人物を見て余計身体が強張った。 『じ…ん…。ど、うしたの…?』 聞かなくても分かっていたけれど、聞きたかった。 自分はやっぱり幸せ者なんだと実感したくて………… 『好きな奴が一人で苦しんでる時に彼氏が傍にいなくてどうすんだよっ…』 本人的には、かっこつけたつもりなんだろう。 でも、汗を流し息をハァハァと吐かれた状態で言われてもあまりかっこよくはない。 『アハハ、お前かっこよくねぇよ。そんな必死な格好で言われても』 それでも、笑みは止まらなくて何故か涙で視界がぼやけだして気付いた時には仁に連れられ個室に引き込まれていた。 個室に入った瞬間に、優しく抱きしめられる。 『そんだけ無駄口叩けんなら、まだ大丈夫だな…』 そう言い、安心したように溜め息を吐く。 『俺はいつだって大丈夫だっつうの。今だって『今日はお前を連れて帰るから…』』 『えっ…………』 話を途中で遮られた上に、驚きの返答。 頭がうまくついて来ない。 『お前の方が終わるの早いからちゃんと楽屋であったかい格好して俺が終わるの待っとけ。んで、終わったら俺ん家直行な。拒否権なし。言い訳聞かない。分かったな?』 そう言い、より一層抱きしめてくる。 『でも…、俺達まだ…喧嘩してるよね……?』 抱きしめられているのに、こんな聞き方はおかしいとは思う。 それでもうまく今の状況を飲み込む事が出来ない。
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