第1章

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考えるのが面倒になった心炎は、ポケットからタバコを取り出し、口にくわえた瞬間、気がついたようにそれを捻り潰した。 「タバコ嫌いだったか……」 心炎が向かっているのは、近所にある大病院だ。 そこには今、彼の幼なじみが入院している。 心炎は毎日のようにお見舞いに行っているのだが、彼がそれに飽きることはない。 「……」 目つきが悪いのは生れつき。 だが、それにも増して悪い目つきのまま、彼は病院に向かって歩きつづけた。
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