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「そう、かな……? 今日はきちんと……ご飯、食べたよ?」
「残したんじゃねぇのか? 出された物はしっかり食べろよ?」
「残してない、よ……?」
「でも、何か《白い》んだよなぁ……」
「うふふ、もともと……じゃないかな」
あー、と、心炎は納得したように声をあげた。
彼は華の近くに寄ると、傍らにある椅子に座る。
布団のかかる彼女の下半身に目を向けた後、心炎は華の顔を見た。
「調子、どうだ?」
すると、彼女は「うん……」と小さく頷いた。
「リハビリ、始まったって……言ったよね……?」
「あぁ、おとといからだろ?」
「うん……。順調、だよ……」
「ま、まだ2日しか経ってねぇだろうがっ!」
「うふふ……。でも、楽しいよ?
また、歩けるかも……知れないんだから、ね……?」
「――……っ」
その言葉に、心炎は一瞬顔を歪めた。
とても――……苦しそうに。
華が病院に入院している理由。
それは、彼女が心炎のせいで、『下半身不随』になってしまったからに他ならない。
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