序章

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「心炎は、いつも私に自由をくれるよ。心炎がいないんだったら……私、すぐにでも死ぬよ」 彼女もまた、彼と同じように一生を賭けた。 「なッ……!?」 彼の全力に、今持てる全力を注ぎ込んだのだ。 「んふふっ……。それくらい、本気……てことだよ」 2010年、激暑と呼ぶに相応しい厚さに見舞われたその夏。 「バカ野郎……ビビらせんじゃねーよ」 1人の男は、少女に誓う。 「ねぇ……しーちゃん。私、しーちゃんの、こと、好きだよ?」 彼女の夢を、叶えるのだと。 「……そーかよ」
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