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「あれ、岩橋さん。腕どうしたの?」
「ん?あー、、、昨日、転けまして」
「またか。本当、アホだよなぁ。」
まぁ、あほですよ。
言われなくてもわかってる。
だが、いくらクラスメートでも本当の事を言えるはずがない
私が《岩橋 美紀》になったのは、つい最近の事であった。
理由は、母親の再婚。
おかげで、転校してきた中学はカスの集まりだった。
教師は
自分のメリットしか考えないような人ばかりで
生徒は
猫被りの女子と格好の付け方を誤っている男子
「お前、大丈夫かよ?」
そのなかで、唯一、私からしたらマトモな人がいた。
「ん、、、痛かったりする。」
「だろうな。また、アイツか?」
こいつ《谷口 未暉》は、私の東京での親友だ。
「だったりする。まぁ、母さんが無事ならいいんだけどね。」
「お前、本当に馬鹿だよな。自分を傷付けて楽しいか?」
「いや、まったく。私、そこまでドMじゃないです、はい。」
何かと心配してくれるいい奴だ
「あんま無理すんなよ?」
「努力するよ。」
未暉の肩を涙で濡らす訳にはいかないの
私には愛する人が、ちゃんといるから。
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