第 1章 冒険者と傭兵との出会い

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商業都市 シルバレスト ユーラシアン大陸の欧州,その西に存在するスペイニア王国の中で海に面し,自然豊かな平野と高い城塞に囲まれスペイニア王国最大の商業都市である。 その都市には,王国各地から様々な品を運ぶ商人たち。海からは,様々な国の調度品や新鮮な魚たちを載せた船が毎日行き交っていた。 その商人たちの中には,様々な国の人たちは勿論,その商人たちに雇われたり仕事の為に雇われたりした亜人たちの姿があった。 「フゥ-,相変わらずこの都市は人が溢れているよね」 行き交う人混みをかき分けながら歩き,20代くらいの短髪で栗色の青年がため息を吐いて口を開く。その右後ろで,金髪で肩胛骨まで長さがあるストレートの髪型を左右に揺らした少女は首を縦に振る。 「そうよねぇ,一体どこから湧いてきたのか疑問よねぇ」 少女が口を開くと,青年の左後ろで歩いていた鍔の長い帽子を被った銀髪が首まで長さのある少女もコクコクと黙って首を縦に振る。青年の腰に提げていたカットラスが歩く度にカチャカチャと音を鳴らし,金髪の少女が着ているローブの端がヒラヒラと揺れる。銀髪の少女の矢包みがユサユサと揺れながら街中を歩いてくる。
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