13人が本棚に入れています
本棚に追加
「それでね…
大神大尉、これを見てもらいたくて………」
「これはなんです?」
「陸軍に関係する資料よ。
内容は陸軍内での汚職に関すること、ね。」
智美はリストを大神大尉に渡す。
大神は真剣に目を通す。
大神は汚職や賄賂などの卑劣な事を極端に嫌う。
資料の中に、見たことのある名前がいくつもあった。
有田伍長
森盛二等兵
白石兵長
島岡大尉など、大神と懇意にしている者達ばかりだ。
無論ながら、大神は上官に対して一度も賄賂など送ったことはない。
「…………………」
怒りがこみ上げる。
そして、賄賂の送り先ば任月少将゙だった。
任月少将はその賄賂を受けとる代わりに、その者達を地位を約束し、必要によっては昇進させていた。
任月少将も上官である、陸軍参謀長に賄賂を送っていた。
いかに肥前出身の軍人とはいえ、任月少将の能力で少将まで昇進できるのは有り得ないからだ。
「感想は?」
「貴重な情報感謝します。
これからは自分の身の振り方に気を付けます。」
「堅い話はこれまでにして、ねえ大神大尉。」
「ははは、はい!」
「私、今度珠子と野田に新聞社を作ることになったの。」
最初のコメントを投稿しよう!