再会

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「それでね… 大神大尉、これを見てもらいたくて………」 「これはなんです?」 「陸軍に関係する資料よ。 内容は陸軍内での汚職に関すること、ね。」 智美はリストを大神大尉に渡す。 大神は真剣に目を通す。 大神は汚職や賄賂などの卑劣な事を極端に嫌う。 資料の中に、見たことのある名前がいくつもあった。 有田伍長 森盛二等兵 白石兵長 島岡大尉など、大神と懇意にしている者達ばかりだ。 無論ながら、大神は上官に対して一度も賄賂など送ったことはない。 「…………………」 怒りがこみ上げる。 そして、賄賂の送り先ば任月少将゙だった。 任月少将はその賄賂を受けとる代わりに、その者達を地位を約束し、必要によっては昇進させていた。 任月少将も上官である、陸軍参謀長に賄賂を送っていた。 いかに肥前出身の軍人とはいえ、任月少将の能力で少将まで昇進できるのは有り得ないからだ。 「感想は?」 「貴重な情報感謝します。 これからは自分の身の振り方に気を付けます。」 「堅い話はこれまでにして、ねえ大神大尉。」 「ははは、はい!」 「私、今度珠子と野田に新聞社を作ることになったの。」
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