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「ええ、その通りですわ。私の領地で獲れた特産物をこの街に出荷する際、この街の商業を取り仕切るアリア家を通しているのです。
アリア家は貴族でこそないものの、財力や影響力は上級貴族に匹敵するので、こうしておけば問題が起き難いのですわ」
………改めて、チェリーってお嬢様なんだなと思った。
あ、そういえばキアも上級貴族だっけ。
今更だけど、俺の周りって凄い奴が集まってるよなぁ~~……
「………フィーやネルも王女なんだけど、全然そういう風に思えないからな~~……」
「? なにか仰いまして?」
「なんでもない。それよりブレアさんに契約書渡してたけど、ブレアさんが当主なのか?」
「いえ、アリア家の当主はお父様です。しかし、今は家を空けているのでお母様が代行しているんです」
チェリーの補足に頷く。
なるほど、チェリーの父親は留守か。言われてみれば、今日は見てない。
………そういえば、チェリーの父親ってどんな人だろう?
「なあ、チェリー?」
「はい、なんでしょうか、兄様?」
「チェリーのお父さんって、どんな人だ?」
「………………」
何故そこで無言!?
すると横で見ていたキアがチェリーに代わって説明を始めた。
「真面目で実直、極めて有能でありながら公正で、常に周りの者の事を考えられる方ですわ。あれほど人が出来た方はそうはいない………心底尊敬に値する方ですわね」
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