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そう。
私が先生のことを好きみたいじゃ……、
「……え?」
何、今の。
鼓膜を揺らした言葉に耳を疑って、ぴたりと動きを止めた。
『好き』って……。
私、心の声を口に出してた?
違うよね。
声は私のものじゃなく、間違いなく梶谷先生のものだった。
あ、そうか。夢だ。
私、夢を見てるんだ。
あるはずがないもん。
私が梶谷先生を、梶谷先生が私を好きだなんて、あるわけがない。
「最近の夢はリアルだな」
夢だとわかったからには目を覚まさなければ。
頬っぺたをつねったり、ペシペシと叩いてみたけれど起きる気配がない。
「痛い……」
私ってこんなに寝起きがわるかったっけ?
「ぷっ……」
強くつねりすぎてンジンする頬をを押さえて振り向けば、肩を震わせる梶谷先生。
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