プロローグ

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ビルの屋上。 そこには、ライフルを肩に担ぎ、誰かと連絡をとっている者がいた。 「ふ~ん。つまり、お前たちが突入した時には既に標的は逃走していたと。」 『そういう事。でもあんな奴だから、そんな遠くへは行ってないと思う。行動力なさそうだし。』 「ハハッ。そりゃそうだ。」 右手に携帯を持ち、耳にあてて会話を続ける。 本来なら小型無線機があるのだが、今はそこまでする程の状況ではないので、携帯で通話していた。 「それで、柊に連絡はとったのか?」 『もちろん。柊の事だからそろそろ連絡が来る頃じゃないかな?』 「だろうな。」 『ま、とりあえず一時待機ってわけ。一応いつでも動けるように準備しておいてよ?』 「おぅ。」 返事を返すと電話が途切れた。 携帯をポケットの中に入れて、空を見上げる。 ふぅ、と溜め息をつくと、ライフルを近くのケースの中にしまった。 恐らく・・・これはもう使わないだろうから。
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