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次に行動する時は拳銃か・・・使ってもサブマシンガンだろう。
そう呟き、羽織っているコートの中から奇妙な文字が刻まれている符を二枚取り出した。
(連絡はまだかな・・・と。)
考えていると、丁度良くバイブが鳴った。
直ぐに取り出し、通話ボタンを押した。
「もしも---」
『いつになったら電話に出んのよ!!』
キーン、と耳の中で音がした。
冗談抜きで鼓膜が破れたかと思ったが、夜風の音が耳に伝わる。
良かった良かった。
てか、声でかすぎだろ。。
「いつになったらって・・・電話してきてたのか?」
『三分前までずっとしてたわよ!十分間かけ続けても全くでないんだから。。』
三分前・・・あー、あいつと電話してた時か。
そういえば本題に入る前に十分くらい無駄話してたっけ。
着信履歴見たら結構たまっているだろうなぁ。。
「いや、その・・・悪い。。」
『ふん!別にいいわよ!こんな事で任務が失敗するわけじゃないし!』
「はいはい・・・。」
『でも、丁度良かったかもね。』
「へ?」
急に話し相手の口調が変わる。
さっきまでの鬼の形相のような声は何処へ流れていったのかと気になるが、詮索はしない。
火に油は注ぎたくないからな。
『逃走した標的の位置が掴めたわ。』
「何処にいるんだ?」
『あなたのいるそのビルよ。』
「あ?」
『さらに詳しく言うと、屋上に向かっている。』
「え?」
何つった?屋上に向かっている?
そんな馬鹿がいるのなら、一目見てみたいね。
『とにかく、今日は何だか運が良いみたいね。さっさと殺して任務を終わらせちゃって。私もう眠いから。。』
「・・・りょーかい。」
再び、プツッと電話が途切れた。
・・・なんだかなぁ。こんなラッキーなことあって良い事なのだろうか?
その前にこんな馬鹿な標的なんて初めて見るな。
逃げるにしたって、こんな追い込まれやすい建物なんかに入るか?
どーもスッキリしないな。
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