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それから各自身支度を整え終わる頃には夕方になっていた。
玄関脇の武器庫から、使えそうなアイテムを吟味し、コウの電気自動車に積み込んでゆく。
昨夜に引き続き、高性能望遠レンズ、スナイパーライフル、ありったけの予備弾。
「スタングレネードとか使うかな?」
アタシ達は絶対に人を殺さない。
ライフルやナイフを多数所持しているが、全て敵を威嚇、足止めするための物。悪党を懲らしめ、お宝を盗み、目的を果たしたらさっさとトンズラするのをモットーとしている。
コウ曰く「盗みは鮮やかでないと意味がない。」
どんなに格好つけて言ってみても、要するにコソドロだ。優しくチキンな怪盗。
そんな慎重に慎重を重ねた活動をしているが、アタシ達はものすごく稼いでいる。
それだけ世の中に悪党が溢れているということ。
稼いでも稼いでも武器や乗り物の維持費ですぐに足りなくなる。
アタシは更に、エステとブランド物につぎ込んでしまったから常に金欠気味。美貌を維持費するのもなかなか大変なのだが、うちの弟たちには永遠に理解できないだろう。
ヒロはひたすら胡散臭いプロテインやトレーニングマシンにお金をかけている。
まともに貯めこんでいるのはきっとコウくらいだろう。
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