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準備ができたところで、後部座席に乗り込む。
コウの運転する電気自動車は音もなくヘリポートのあるビルへと向かう。
このビルもヘリを買った直後に手下が勝手に用意してくれていた。
優秀な手下達。私達を神よりも信仰している愛すべき手下達。一人一人がその場その場で最善手で考え動いてくれる。
今日もヘリポートに着いた時には全てのメンテナンスが終わり、すぐに飛び立てる状態になっていた。
「メイさんっ、今日もヘリは完璧です!!現金の回収は任せてくだ……」
「メイさんは華麗にスパンと撃ち込んでくれれば後は地上班の僕が……」
「お前邪魔するなよ!!班長は俺なんだぞっ!!」
「勝手に決めてんじゃねーよっ!!初耳だ!!」
一際騒がしい手下が二人、喧嘩をしながら駆け寄ってきた。
私を特に慕う手下はなぜかこんなのが多い。
扱いが楽だから重宝するけど。
「ありがとう二人とも。さぁ出撃よ!!頑張りましょうね。」
ウインクとともに大サービスで激励の投げキッスを飛ばす。それだけで二人はメロメロになりコンクリートの屋上に倒れこんだ。
毎度のことなのに慣れればいいのに……、と思いながらも面白くて毎回繰り返してしまう。
今夜は操縦席にコウが座る。どうもコウは他人の運転だと酔う体質らしい。
それはそれでアタシは運転しなくて済むからラクでいいんだけど。
アタシ達が乗り込むとジェットヘリはすぐさまゆっくりと宙に浮く。
アタシ達は月も星もない夜空に向かい上昇していった。
「さあミッションスタートだ。」
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