パイロット

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「まずいな。見つかったかもしれん。」 同じように地上を見下ろしていたコウが呟く。 バラバラなアタシ達のチームワークをなんとかまとめる、頭脳派怪盗。女嫌いのくせに無駄にイケメン。 彼もまた、アタシの弟みたいな奴。 「ホラッ!!ヒロが目立つような事するからよっ!!」 「だってよー、これ面白くて面白くてー……。」 言いながらまたまた蛇行操縦をしている。 「だめだ、ヒロ。完璧に気付かれた。高度上げて、今日は撤収!!」 コウは後部座席でスナイパーライフルを投げ出して寝転んでしまった。たぶん恒例の乗り物酔いだろう。今日はもうコウが狙撃するのは無理。やはり撤収するしかない。 「えぇー、俺のせいー!?」 「やっぱりアタシが操縦すれば良かったわ……。」 すっかりやる気のなくなったアタシ達は、夜景を見物しながら隠れ家へと戻った。
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