朝食はバラの香り

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怪盗の朝は遅い。 もっとも、主に深夜に活動をする職業のため、当たり前と言えば当たり前なのだが。 「ふぁぁあ……。もう昼すぎなのね……。」 回らない頭を手櫛で整えながらシャワールームに向かう。 そして一歩中を覗き、確信する。 「やっぱり減ってる……。」 アタシの、お気に入りのローズブランドのトリートメントが微妙に軽くなっている。 「今日は許さないわよ……。倍の料金払ってもらうんだからっ……。」 アタシは乱れた髪もそのままにリビングへ向かった。レベルの低い兄弟喧嘩の始まりだ。
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