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「私、死んだの?」
「覚えていないのですか?…まぁ一瞬のことでしたから、無理もないですね」
「…一瞬…」
私は目を閉じた。
私が死んだ、その一瞬を思い出すために。
「…あ」
浮かんだ光景。
赤信号で立ち止まった私…
横断歩道を渡る子供…
迫り来る一台のトラック…
「!」
思い出した。
私、いてもたってもいられなくて、飛び出して、トラックに…。
「貴方は勇敢でした」
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