大切なもの

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私はただ横に首を振った。 「…ここ、波瀬さんが亜紀ちゃんを助けた場所だよね?」 「うん…」 「…」 明智も急に黙って横断歩道を見つめた。 「…明智」 「…なに?波瀬さん」 「…もし私が死んでも、私のこと忘れないでいてくれる?」 「…え?」 明智はポカンと私を見つめた。 でも、すぐに真剣な表情に戻って言った。 「…波瀬さんは俺が守る」 「…答えになってない」 「…いんや。それが俺の答え」 「明智…」
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