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いつものように、空き缶のところへ、沢ガニが行くと、あゆは沢ガニに言いました。
「沢ガニさん、いつもありがとう。あなたは、私をいつも見ていてくれた。たくさん、泣かせてくれた。叫ばせてくれた。あなたがいたから、私は悲しみを、乗り越えることができました。
私は、あの人の子供たちをみごもりました。この子たちのためにも、私はそろそろ、この空き缶からでなければ。
沢ガニさん、生きていくということは、いろんな事がありますね。
私は、この川で生まれ、育ち、恋をして、愛する者の死を見て、そしていのちを産むのです。
不思議ですね。
こんな風に、穏やかに話せるのも、沢ガニさんという、素晴らしい友が、私にはいるからです。」
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