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「あ、ねぇじゃぁ俺は?」
「え?タツハ?」
「うん」
急に振られて困惑する。
でも、イメージはあった。
「タツハは『自由な白』だな」
「『自由な白』?」
いまいちどんなカンジなのか分からないらしく、タツハはきょとんとする。
「どんな色にもなれるけど、最終的には『自分』に戻って、明るくて落ち着いてて…そんなカンジ」
そうなんだぁ…と、ちょっと照れながら聞いているタツハ。
でも一番の理由は…。
「ふわふわしてつかみ所がない、自由奔放な雲みたいだろ?」
にぃっと、いたずらっぽくわらってやると、
「やっぱりオチがあるのね」
と、苦笑いをした。
そんなにつかみ所ないかな?なんて自問自答もしている。
ないから天敵なんだよ、お前は。
「要ちゃんの家族はみんな『空』にいるから空が好きなんだね~」
だから、恥ずかしげもなくそんな事言うなっての。
「要ちゃんは?」
「え?」
「要ちゃんは何色?」
聞くか?ソレ…。
いや、この流れは聞くか…。
「…『灰色』だよ」
「なんで?」
ぼそっと言ったのにしっかり聞き取りやがった。
「中途半端だから。それに曇りの日や雨の日って嫌がられるだろ?私はそんなカンジなんだよ」
なるべく客観的に見てるように言う。
私は自分を卑下してるわけじゃないし、いじけてるわけでもないんだ。
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