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―1時間前―
「やっべえっっ!!」
いつもは早起きの俺が、珍しく寝坊して慌てて飛び起きた。
素早く着替え、鞄を持ち、その足で隣の部屋…要の部屋のドアを乱暴に開けた。
案の定、寝ている。
「要っ!起きろっ!やばいぞ、遅刻するっ!」
自分で起きられないわけじゃないけど、どうも俺の方が早く起きるし気になって起こすのが日課となっているのだ。
ただ…
「………あ?うるせぇ……!」
我が妹ながら、布団の間から睨むその瞳は…恐い…。
本当…寝起き悪い…。
てか女だろ?お前…。
とりあえず朝食の準備(時間ないからレトルトでいいか)を始めると、の~んびりと真兄が降りてきた。
起きてたんなら起こしてくれよ…と思ったが、低血圧の真兄は『目覚める』までに時間がかかる。
多分今も半分夢の中だろう、焦点があっていない。
「おはよう、真兄」
「………コーヒー………」
真兄はコーヒーを飲まないと目が覚めない…が…。
「悪い真兄、今日ちょっと寝坊して時間な『コーヒー』」
有無を言わさず話しに割って入るその瞳は…座っていて…恐い…。
「…はい、ただいま…」
インスタントならまだしも、真兄は豆から挽いて煎れなければ飲まない。
ったく、この急いでる時に…。
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