―夕暮れの夜明け―

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「兄ちゃん、俺の連れに何してくれてるのかな?」 考えてたら背後からお仲間が…ぞろ~り…。 「ああ、なんかマゾみたいでさ、コイツ。足蹴にしてくれって頼むからしてやってたんだ」 「…っふざけるなっ!!」 痛みと屈辱で涙目になりながら男は叫んだ。 「なんだよ、仲間が来たからって恥ずかしがるなよな」 言いながらようやく足をどかして解放してやると、そそくさと仲間の方へ逃げて行った。 「んじゃねぇ、変態のお兄サン」 そのまま帰ろうとしたけれど… 「ちょっと待てや、兄チャン」 ごついお仲間の男に肩を抱かれ止められてしまった。 やっぱりダメか。 ま、当たり前だけど。 馬鹿を入れて5人…余裕だな。 でも戦闘体制に入った俺に、ごつい男は意外なことを言った。 「やり合うつもりはねぇ。ちょっと奥の部屋まで付き合ってくれよ」 そう言って親指で奥を指差す。 半ば強制的に連れて行かれるが、屈したワケじゃない。 勝機はありまくる。 ただ、麻薬が心底吐き気がする程大嫌いなんだ。 .
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