―夕暮れの夜明け―

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「悪いけど弱い奴等と仲間になる気はないんで…腹減ったから帰るわ。んじゃねぇ」 理由が分かったら用は済んだ。 さっさと帰るに限る。 軽く手を振りドアへと向かったその時…。 「……矢沢要」 「!?」 「…だっけ?お前の妹」 にやりといやらしく笑う郷田の言葉に、俺は足を止めざるを得なかった。 なんで要のことを知っている? ………いや、俺を仲間にしたがっているんだから色々調べていたとしても不思議はないか。 もちろん俺が素直に仲間になるなんて考えていなかっただろうから…要は『脅し』か。 「そういや佐々木のブツとメモ見ちまったんだって?悪いけどおとなしく帰すワケにはいかねぇんだよ」 どうでもいいけど佐々木っていうのか、あの馬鹿。 いつの間にそんな情報耳にいれたんだか。 そして俺もいつの間にか囲まれていた。 「かわいい妹…無事に家に帰ってきてほしいよな?俺達だって女の子に手荒なマネしたくねぇし」 ホラ、脅しだ。 ただ要が『どういう妹』かってのは知らなさそうだ。 多分『手荒なマネ』はもうしてると思うぜ? そして逆に『手荒なマネ』されてると思うぜ…。 「すぐ仲間になれとは言わねぇよ。ただ明日の取引を中止にするワケにはいかないから…ソレに付き合ってもらう」 「………ハァ?」 願ったりもないけど…何考えんだ?コイツ…。 普通部外者連れて行かないだろ…。 「仲間になったら何度も顔出すことになるだろう?」 煙草に火をつけ、にやりと笑いながら、俺の思いに答えるように言った。 「仲間になるなんて言ってないけど?」 「俺は欲しいモノは手に入れる主義なんでね」 …『モノ』かよ。 「…わがままな奴だな」 「よく言われるよ」 不敵に笑う。 これは思ったより手強いかもしれないな。 馬鹿共をぶっ飛ばして終わり…というワケにはいかなさそうだ。 腕に自信アリ…ってとこか。 .
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