―灰色の空―

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あ~…苛々する。 「…っっう…げほっっっ…」 「…がはっっ…」 ありったけの怒りを最後の一人の腹にぶちまけて、ようやく少しすっきりした。 「ったく…毎度毎度間違うのもいい加減にしやがれ」 足元に転がる5人の男達に悪態をつき、本日の日課?終了。 何事かって? 毎日のように喧嘩を吹っ掛けられるから、返り討ちにしてるだけ。 それも人違いで。 まぁ、その人違いの相手は兄なんだけど。 別に双子じゃないし、身長も髪の長さも違うのに間違う馬鹿な連中には何を言っても無駄なので、こうして毎回私の怒りのはけ口になってもらってる。 自業自得でしょ。 …つまり、私は『男』に間違えられる容姿って事だ。 おまけに自分で言うのもなんだが、男所帯で育ったせいか口も悪いし喧嘩っ早い。 ついでに胸もないから、客観的に見ても女には見えない。 ね、『中間』で『半端』でしょ? .
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