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「ただいま～」
出たな、諸悪の根源。
「真兄、今日はカレーだろ？」
「おかえり、よく分かったな」
真っ先に真兄がいる台所へと向かう。
…小学生か…。
てか、まだ材料切ってる最中なのに本当、よく分かったな…。
「俺と真兄は一心同体だから何でも分かるの」
「そうか、初耳だな」
にぃっとイタズラっぽく笑う拓を、真兄はさらりと笑顔で受け流す。
さすが真兄、扱いは慣れてる。
次男で年子の兄、拓（たく）。
私と顔が似ているという、なんとも迷惑な兄。
似ているだけならまだいい、喧嘩を吹っ掛けられる行いをしているのが迷惑なのだ。
そのくせ明るい性格で、憎めないお調子者、誰とでも仲良くなれる人気者…。
そこは私とは真逆。
『オレンジ』
『赤』ほど熱くなく、『黄』よりあまくない。
あったかいけど、これから冷めていく…朝日や夕日みたいな『オレンジ』
拓はそんなカンジ…。
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