こにゃにゃちは。

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中学生の時、僕はサッカー部に入っていたんです。 万年補欠の雑用係りみたいなもんだったんですが、 ある日、運良く監督の気まぐれで僕は一軍のフォワードとして練習試合に出して貰える事になったんです。 嬉しかった。 正直、もう辞めようかと本気で悩んでいた時期なだけに 監督からその旨を伝えられた時にはもう、その高揚感に身を任せてハシャギまくってた記憶があります。 でもね、神の嫌がらせか仏の無碍か知りませんが、 その日の練習中に、僕のアキレス腱が切れたんです。 嬉しさのあまり筋肉疲労を考えずに無茶な練習をしたのがマズかった。 中学生ほど世界の見えてない生き物はいませんからね。 その当時の僕にとって、サッカーが、明日の試合が世界の全てであって、 しかしその小さな夢で構成された僕の世界は一瞬で崩れたんです。 正直、アキレス腱が切れた痛みよりも、一生に一度のチャンスかも知れない一軍の試合に出れない事に涙が止まりませんでした。
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