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平和島静雄。お前は俺を嫌いなんじゃなかったか?池袋最強の男なんじゃなかったか?目があったら命は無いと思えと言われて恐れられている男じゃなかったのか?なぜ俺にそんな悲しそうな目を向ける?なぜ俺を好きだと言った?
人間なんてものは所詮、変わっていく生き物なのだ。だとしたらもう深みに嵌まりたくなどはないのだ。
だから怪物だと、キモチワルイと貶すのだ。愛しくて愛しくて堪らない存在を。
突き放したって、またそんな悲しそうな顔をするから。
ねぇシズちゃん俺は怖くて堪らない。ヒトリの世界が怖くて堪らない。
失いたくないから。そのためだって分かってよ、ねぇシズちゃん、俺は君が離れていくのが怖くて仕方がないんだ。
君のイノチまでをもぎ取ってしまいそうだ。シズちゃん、俺を殺していいのは君。君を殺しても良いのは俺だけ。でも君は殺させてなんかくれないかな。なんてったってナイフが5ミリしか刺さらないんだもんね?
「シズちゃん、俺のこと大好きなんだ」
「嫌いだ」
「ウソ、好きなくせに」
「…嫌いだってーの」
「うそ、素直になりなよ」
「…ッ嫌いだっつってんだろーがぁ馬鹿イザヤ!ブッ殺してやろーかぁ?」
いつも通りに振る舞おうとする滑稽な君を見て俺は狂ってるのかな、君を甘やかして俺だけのものにして閉じ込めてしまいたいと思うんだ。
「ねぇシズちゃん…?」
臨也は静雄の頬に手を当てた。
これほどまでに狂暴で殺戮的で恐れられている人物が自分の意のままなのかと思うと、臨也は肩を揺らして笑わずには居られなかった。
ねぇシズちゃん…
アイシテルよ、誰よりも
end
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