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そんなグロッキー状態で
僕は呆然と立ち尽くしていた。
そしたらいつの間にか亮ちゃんの周りには男子の波が出来てて…
僕はかやの外。
だから仕方なく自分の列になるまで
地面に座り込んでた。
10月にでもなると空は低く風は涼しい。
だからすごく過ごしやすい季節で
皆の心にも余裕ができてるんやろう…。
なんて、楽観的に考えてみようとするけど自分が思うよりも僕は嫉妬深くてヤキモチばかり妬いてる…。
現に亮ちゃん達の会話ばかりを耳で拾って盗み聞きをしている僕。
緑「…アカンやろ…ッ」
なんて言ってみるものの…
青「女装もイケんねやな!
僕のキャラも商売上がったりやわぁ」
黄「商売上がったり…って。
俺もう着替えるから許してや」
青「いやむしろ!僕達で百合キャラ狙わへ ん?」
黄「狙うかアホッ!!」
………チーン。
もう、ええもん…。
亮ちゃんとヤスが仲ええのは知っとるもん…。
僕なんかが入れへん2人の空気もあるし
めっちゃ仲良しさんな会話とかしとるし…
…結局、僕には勝たれへん。
それにな?
なんとなーくやけど…、
ヤスほんまは亮ちゃんのこと…、
青「たっちょーん!!次やで?」
こんな弱虫な考え方しか出来ない僕のことをヤスは知らないから、
優しく明るい声で順番を教えてくれる。
緑「…おん、ありがと…」
だから尚更、かなしくて、さびしくて…
ほんまヤスになりたかったよ…。
僕は浮かないキモチのまんまスタートラインに立って、響く銃声と供に走り出していた。
順位はもちろんビリ。
ほんまは亮ちゃんにええ所見てほしかったけど、上手く走られへん…。
ごめんね?…亮ちゃん、ヤス…。
そんで例のポイントに到着して一番最後まで残ってた6番の紙を拾って更衣室の中に入った。
緑「…ハァっ…、な、んやろ…?」
すでに息が切れてる状態で、鏡の前に置いてあった紙袋の中を覗く。
…もう頭んなかは亮ちゃんでいっぱいで、何が当たったら嫌、とかそんな感情はなくなってたから衣装は何でも良くなってた。
…から、普通に着てみた。
……けど、無理やった…。
《なぜか……ナース服》
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