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耳に力を入れてなるべく皆の声は聞こえないように頑張って、目も視線をずらさず
ただゴールだけ見つめる。
ナース服の裾がちょうど太もも辺りだから走る時にめっちゃ圧迫されて思うようには走れないし、
ナースキャップも飛ばされないように抑えなきゃいけないし、
そんな状況でも何とか頑張ってゴールテープを切った。
…うん、ビリやけど走りきれたから頑張れたと思う…。
緑「…はぁッ…ハァッ…っ、」
切れ続ける息をゆっくり落ち着かせながらカーディガンの袖で少しだけかいた汗を拭いてゆく。
足を少し止めて休んでいたら…
青「たっちょん!!」
現れてしまった……。
僕の色んな悩みの種に関係しているヤスが……。
…………ッよし!!逃げようッ!!
緑「あ、あのッ…!僕着替えてく、」
青「たっちょん…ええ脚しとるね?」
緑「へっ?」
…けど逃げられなくて、むしろ捕まってもうた。
だからすっとんきょんな声しか出せないでいたら、ヤスはするりと僕の太ももを人差し指でなぞってくる。
緑「んっ…ちょ、ヤスッ…?んッ、」
思わずくすぐったい感覚から、鼻を抜けるような声が漏れて自分で驚いてしまう。
てか!ヤスが触るからッ…!!
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