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外に待っていたのは、若い男女二名の試験官。アクアと濂青がそれぞれ番号と学校名、氏名を告げると、女性試験官が薄板に張り付けた名簿に目を通し始める。
「三十三番、絖濂青さん。三十四番、アクア・ラマンカリアさん。……はい、結構です。では次に、武器をチェックします」
アクアのライトソードと濂青の刀。二つの得物は作業服のような装いの男性試験官によって鞘から抜かれ、紙や木の板に当てて引くなどして斬れないことを確認されたほか、仕掛け等がないか入念に調べられた。
「お待たせしました。使用を許可しましたので、これより実技試験場に案内します。どうぞこちらへ」
「はい」
案内を始める女性試験官に返事をすると、いよいよだなという気がしてきた。
靴の向かう先では、どれほど深いのかも分からない森が大きく口を開けている。おそらくは、道が曲がりくねっているのだろう。茂みも深いようで、何が潜んでいるか、これでは見分けられたものではない。
竦みかけた足に、気持ちで鞭を入れる。
――ビビってんじゃねぇよ、自分!
隣にいるパートナーは実力未知数。自分一人でも突破し、這いつくばってでも戻って来るぐらいの意気でなくては。来年また受験し直すなど、まっぴらごめんだ。
「この線から先が試験エリアです。二人が共に線を越えた時点から、試験開始となります。今から三分以内にスタートしてください」
試験官の言う通り、砂の上には白い粉で描かれた一本の線が。
またハイと返事をした後、アクアは白線の上に片方の足を乗せてパートナーの方を向く。
「三分以内、だってさ。あんまり時間ねぇぞ。早めに行っちゃう?」
「そうですね。あまり待ってても、仕方ないかもしれません」
「……じゃあ、行くか!」
「あ、はい」
相変わらず上がらない濂青のテンションについては今は掘り下げないことにして。
心の中でせーのと掛け声を発し、線に乗せたのとは反対の足を大きく前へ押し出す。踏んだ枯れ葉がきしりと鳴った。
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