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………恐ろしい……。
人間界で過ごしていると抜けてしまうのか………。
いや…しかし、興味深い。
どこまで抜けているのか………気になる。
「…お前…死にたいのか…?」
俺は、その女の質問にあえて答えず尋ねた。
そいつは静かに頷き、切なそうに微笑む。
「…たった今、死んだのよ。」
その微笑みが俺の鼓動を早くさせる。
この俺が…人間の女に……?
………そうか……。
この女が彼女に似ているからだ。
やっと見つけた彼女の代わり。
決めた。
この女にする。
「…なら…俺のものになれ。」
俺の言葉に一瞬、驚いた顔をして、それから怪しく微笑んだ。
「…私が…欲しいの…?」
………欲しい―――――…?
「……ああ…。」
…………………欲しい。
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