お茶会

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 放課後――。 「やっ……やっと終わった~」  麗信はげんなりした顔つきでため息をついた。 「レイさん。ご一緒に生徒会室に行きませんこと?」  アリシアがニコニコしながら声をかけてきた。  すごい……生徒会室の彼女とはまるで別人。  どうやらキッチリと調教された猫をかぶっているようだ。 「は、はぃ。ご一緒にいきましょう」  なにはともあれ、護衛対象と一緒にいられるのは好ましい。  あっちから、誘ってきたし不自然な点もないからな。 「フフ……じゃあ、行きましょうか」  アリシアはみごとな笑みをふりまきながら、俺の手をひっぱって教室から出た。 「あ、あの! あんまり引っ張らないでください!」  ついでに言うと手を離してほしい。すでに顔が熱くなっている。 「あら、だってレイは来たばかりでしょ? 私が案内してさしあげるわ!」  アリシアはなぜか楽しそうに俺の手を引く。  ふわりとした香水の香りが鼻孔にながれ、頭がボッーとする。 「入るわね」  生徒会室の扉を開けるとすでに蓮と茜の二人がいた。
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