お茶会

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「あ、きたきた~!」  蓮はカチャカチャとガラス棚に置いてあるカップを取り出していた。 「今お湯沸かしているからちょっとまってな」  茜が部屋の向こう――コンロのある部屋から声を出す。  生徒会室には給仕室もあるらしい。  さすがお嬢様校、スケールが違うな。 「あの~。これから何をするんですか?」 「なにって、午後のティータイムに決まっているじゃない」  アリシアは当たり前のように応えた。 「…………」  なにが午後のティータイムだ。生き血でも啜っている性格のくせに。  とは口が裂けても言えない麗信はジト目で三人を見ながら心のなかで毒づいた。 「こういうの行事だよね~」  茜はクッキーの缶を開けてテーブルに置く。 「会議でも始めるんですか?」 「それくらい重要なことよ。レイは座っていて頂戴」  アリシアが俺の背中を押して席につかせる。 「でも、お、私も手伝いますよ」 「あんたは座ってなさい」  立とうとした俺に、蓮がピシャリと言い放った。 「あんたの歓迎会なんだから主役が手伝ったら意味ないじゃない」  歓迎会……。  予想すらしていなかったイベントに感動する。  みんな、俺のことを歓迎していてくれたのか。受け入れてくれていたのか。  生き血啜っているなんて思ってごめんなさい!  俺は心の中で精一杯謝った。 「ま、今のところ、レイのことなんか仲間とは思ってないけどね」  ぐっは~!  茜のにこやかに告げられた一言が感動していた俺を、奈落まで突き落とした。  すげーよ。持ち上げておいて一気に叩き落とす。 「こういう行事だって言ったでしょ」  蓮もやれやれと言った感じだ。  前言撤回。  生き血啜っているどころか、骨まで貪っていそうです。  やっぱ彼女達は悪魔ですわ! 「まぁ、まぁ。今はってことよ。頑張ったらみんな認めてくれるわ」  アリシアは俺の肩をやさしく叩いて囁いた。 「あぅ…………」  急に優しい言葉をかけられると、とても嬉しく感じ、ちょっと恥ずかしい。  顔が赤くなった俺は、三人に悟られまいと、テーブルのカップに視線を落とした。
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