天然記念物

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今時、美しくて優しくてしかも天然というのは、すごく珍しいと思う。 ラブホテルに連れて来てニコニコしているのは、恐らくルビーくらいじゃないかと……。 ……さぁて、僕の愛しのお姫様は、いつ僕がどんなところに連れて来たって気付くのかな? † 「ヴルー。今日はここに泊まるの?」 「ああ。気に入らなかったかい?」 「ううん。すごく素敵……」 うっとりと外を見るルビーを見て、彼女を今すぐ抱きたい衝動に襲われるが、我慢、我慢。 ここで欲望を見せてしまってはもったいない。せっかくお楽しみを用意してるのに。 「ルビー。乾杯しようか」 「ええ」 ルビーのグラスに、見ようによっては金色にも見えるワインをそそぐと、艶やかな唇がグラスに触れる。 白い喉が動くのを見て、彼女の体にワインが入ったのが理解できた。 僕は自分の口端が自然と歪んでいるのが分かった。 ――さぁ、お楽しみはここからだ。 「……あれ?何か……私……」 ルビーが自分の体に異変が起こっているのに気付き、不思議そうな顔をする。 「どうしたんだい?ルビー」 「何だか……私おかしいの……。体がすごく……熱くて……」
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