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 心配してくれているであろう彼の言葉にも上手く反応出来ない。何かが致命的におかしい、気がするのだけれど。 「ほら」  ランドに手を握られ、思考は霧散した。元から定まっていなかったピントが明後日の方向に飛ぶ。  ただ、それでも。 「………」  こうやって手を握ってくれる相手なんて、コトウにはいなかった気がするのだ。 *-*-*-*-*-*-*  ランドがよくしゃべってくれるおかげで、状況は大体把握出来たし大分思い出した。  自分は高校とやらに通う女子高生で、ランドは同じ学年で同じクラスの男子。  付き合い始めたのは今年度に入ってから、告白したのはランドから。今では学校中に知られているようなカップルらしい。  二人には共通の友人がいて、名前はミゼット。仲を取り持ったのは彼女だとか。
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