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ここは、大半の人間があってほしいと願い続けてきた場所だった。
青々としげった草や木々に、整えられた土の上に咲く色とりどりの花。
それらを揺らす暖かい風。
自然が綺麗に保たれつつも白を貴重としたヨーロッパ風の家や、小さい物から巨大な物まで様々な大きさをした城のような建物のコントラストが、美しい風景を作り出している。
また、その穏やかでありながら力強くも感じる光景の中には、人影らしきものがちらほら見受けられる。
しかし、この場にある人影は人間ではない。
所謂天使という存在なのだ。
見た目は人とたいして差はないが、違う所を挙げるならば背中についた翼か。
大きさなどは個人によってバラバラではあるが、色は皆純白だった。
…一人の天使を除いては。
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