4人が本棚に入れています
本棚に追加
ゲームマスターの世界へようこそ!
七月二日。
変な夢だ。ゲームマスター。聞き覚えがあるようなないような名前だ。
ぽつぽつと屋根を叩く雨の音で起きた。
「あー、あちぃ」
雅弘は額の汗を拭いながらベッドから起き上がった。
クーラーのタイマーも切れて汗だくで寝ていたことに気付き再びクーラーをつけた。
設定が16度にしてあるものの鬱陶しい湿気だけはどうしよもなかった。
寝癖で更に拍車のかかった天然パーマをグシャグシャと掻き回しながら鬱陶しい雨だな。と雅弘は再びベッドに横になった。
それを知ってかどうか、ザーッと雨が屋根を突き破るかのような勢いで降ってきた。
雅弘は更に鬱陶しいと思いながらも、仕方ないという感じに起きた。
太陽は雲に隠れてはいるが、まだ六時すぎだというのに明るい。
雅弘は眠たそうな顔をしながら洗面台のほうへ向かった。
顔洗って細い目を開ききり、鼻をかんで、口をゆすいだ。
天然パーマを水に濡らして、無理矢理伸ばしてみるが意味はない。
「あら、雅弘早いわね」
その声で後ろに振り向いた。小太りで目はくりってしているがタレ目のまるで狸みたいな母だ。
「日曜日なのに珍しいわね」
確かにいつも、学校の日でも遅刻ぎりぎりまで寝ている。
「今日は輝の家に行くから」
「そうなの。ご飯は食べるんでしょ?」
「うん」
「じゃあ作るから座ってて」
雅弘はリビングに行って椅子にだるそうに座り、テレビをつけた。
朝のニュースが爽やかに流れている。
「今日はお昼頃には雨があがるでしょう」
雅弘は窓の外を睨みつけるように見続けた。
最初のコメントを投稿しよう!