プロローグ

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ゲームマスターの世界へようこそ! 七月二日。 変な夢だ。ゲームマスター。聞き覚えがあるようなないような名前だ。 ぽつぽつと屋根を叩く雨の音で起きた。 「あー、あちぃ」 雅弘は額の汗を拭いながらベッドから起き上がった。 クーラーのタイマーも切れて汗だくで寝ていたことに気付き再びクーラーをつけた。 設定が16度にしてあるものの鬱陶しい湿気だけはどうしよもなかった。 寝癖で更に拍車のかかった天然パーマをグシャグシャと掻き回しながら鬱陶しい雨だな。と雅弘は再びベッドに横になった。 それを知ってかどうか、ザーッと雨が屋根を突き破るかのような勢いで降ってきた。 雅弘は更に鬱陶しいと思いながらも、仕方ないという感じに起きた。 太陽は雲に隠れてはいるが、まだ六時すぎだというのに明るい。 雅弘は眠たそうな顔をしながら洗面台のほうへ向かった。 顔洗って細い目を開ききり、鼻をかんで、口をゆすいだ。 天然パーマを水に濡らして、無理矢理伸ばしてみるが意味はない。 「あら、雅弘早いわね」 その声で後ろに振り向いた。小太りで目はくりってしているがタレ目のまるで狸みたいな母だ。 「日曜日なのに珍しいわね」 確かにいつも、学校の日でも遅刻ぎりぎりまで寝ている。 「今日は輝の家に行くから」 「そうなの。ご飯は食べるんでしょ?」 「うん」 「じゃあ作るから座ってて」 雅弘はリビングに行って椅子にだるそうに座り、テレビをつけた。 朝のニュースが爽やかに流れている。 「今日はお昼頃には雨があがるでしょう」 雅弘は窓の外を睨みつけるように見続けた。
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