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朝食をすました雅弘は、自分の部屋に戻り支度をしていた。
いきなり扉が開けられ、身構えた。
「雅弘起きてるのか?」
なんだ。という顔をして一息をついた。
そこには雅弘そっくりの天然パーマの父親がいた。
「あぁ。なんだよ急に」
「また遊びに行くのか。お前ももう高校生だ。いつまでもゲームとやらばかりしないで少しは将来のことを考えたらどうだ」
日曜日なのにまた説教か。
確かにゲームばかりしているのは事実だ。
しかし趣味のない父親に言われたくはなかった。
雅弘は怪訝そうな顔をしながら、
「わかってるよ」
と強く言い放って部屋を出た。
家を出る前に母から、
「晩ご飯はどうするの?」
とリビングのほうから聞こえたので、
「いらない」
とだけ答えて家を出た。
天気予報どうり雨はあがり、暑い日差しが射すように雅弘に当たる。
輝の家まで歩いて5分というところだが、家に着く頃には全身汗だくだった。
ピンボーン。
「はい」
と甲高い声が聞こえた。
「山中です。輝君はいますか?」
「雅弘君ね。どうぞ」
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