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「お邪魔します」
階段をかけ上がり輝の部屋に入った。
「よう!」
妙なテンションの高さで挨拶をしてきた。
輝はいつもそうだ。
サッカー部とゆうこともあってか日に焼けていて背も高い。
一八○センチはあるだろう身長にキリっとした眉毛。目は二重で切れ長。鼻筋も通っていて、髪型も今風だ。
性格も明るいし、優しく器もでかい。
女子もそうだが男子からも人気がある。
明らかにモテる輝と対象的な雅弘が仲良しになったのは小学生の頃だった。
幼なじみで家が近いこともあってか仲良くなるのに時間はかからなかった。
輝は根っからのスポーツマンだったが雅弘の影響もあってゲームが大好きだった。
特に二人に共通でハマったのは「カードオブウィザード」というカードゲームだった。
高校生にもなってカードゲームかと思うがカードゲームは意外にも若年層より中年層にかけてのほうが多い。
「そんなとこボサッと立ってないで座れよ」
輝に促されて壁際の黒いソファに腰掛けた。
「そぉいえば来る途中に美香に会ったけど、何か考え事でもしてたのか全く聞こえてなかったみたいだな。何か深刻そうな顔してたけど大丈夫かな」
と心配そうに雅弘は、窓のほうを見ながらそう言った。美香は雅弘と輝の同級生だ。
「大丈夫だろ」
と、気軽に答えてさぁ始めようぜと言った。
始めるというのはもちろんのことカードオブウィザードのことである。
よし来た!と言わんばかりに鞄の中からデッキを引っ張りだした。
「今日あいつらは来んの?」
あいつらとは丸井 浩二、杉本 康太、萩原 新一、小野寺 祐太だ。
彼らは雅弘、輝の高校の同級生だ。
彼らももちろん雅弘らと同様、ゲーマーである。
「もうすぐ来ると思うしゲームして待ってようぜ」
いいよ。と言ってカードをきって、自分の手札を引いていった。
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